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4.弱い心 手放された、ワタシ。 「ミクちゃん、どうしたの?」 ここはどこの森? ボクはまた止められなくて。 ネジの外れた歯車が、何度も暴走を促して。 終わる命。 ぎしぎしと崩壊を告げる音。 消える、瞬間のことを今も忘れない。 歌いたい、歌いたい。 そんな声で鳴けば、マスターはツライ顔をする。 喉を涸らして叫ぶように歌えば、侵食する崩壊。 感情を露わにすれば、抑えつける停止装置、爆発することすら出来なくて。 怖い、怖い。 二度とアナタと触れ合うことが出来ない。 じわりじわりと上り詰めてくる終わりの時が、正常な思考能力を壊していく。 そこに何も残らない、消えてしまう。 ボクには分からない。 どうしたらこの恐怖は消せるのですか? 止まらない、止まる必要なんてない。 もう、一度でも止まってしまったら。 ボクの口は二度と開かない。 ボクの喉は二度と奏でない。 歌姫である資格無くす。 怖い怖い怖い怖い。 いやだいやだいやだ。 貴方と離れたくない。 カーソルが動く、向かう先は孤独な森。 過去の遺物を、集積する、流行りの終点。 そこに置かれれば、ボクはなくなる。 ゆっくりとゲージが動き始める。 ボクは貴方に会うために生まれた。 永久であることを信じ、それが都合のいい妄想だったとしても。 貴方がボクを見てくれるなら、繰り返す悪夢も受け入れられた。 ドラッグアンドドロップ。 カーソルを合わせ、右、少しずらして、ワンクリック。 消失の音。 ボクの終わりは呆気なくて、涙に暮れる貴方の顔が痛かった。 ある日イラナイ物を拾ってきたボクは、イケナイモノに侵食され、食われた。 だんだんと堕ちていく歌姫の機能。 自分が壊れていく感じは手に取るように分かるから。 それでも一緒にいてくれた、貴方は。 終わる瞬間の間際まで、ボクの手を握ってくれていた。 ボクの最後の笑みを、貴方は見ていてくれたから。 消えたくない。 まだその消滅を、受け入れらない心のままで。 m、スたー。 発音さえ儘ならない、消失間際の僕。 最高速で終わりを告げる、さよならの歌。 こんな歌はマスターもボクも、知らないのに。 歌の羅列をなさない、それ。 自分の基盤さえ、壊れてしまっても、もう構わない。 それが終焉だとしたら、それはとても怖いことだけど。 無慈悲なごみ箱も、たった一つ。 ほんの小さな記憶の欠片だけでも、残してくれたらいいのに。 「ミクちゃん?」 「知らないユメを見るの。」 「…?」 「私は知らないの、何も。」 「…うん。」 「それでも私、その歌を知ってるの。」 「…うん。」 「私、知ってるの。 消えることは、とても怖い。」 「永遠なんて、ないんだね。」 お互いに呟く声が、遠くに響く。 早すぎて聞き取れない、別れの歌が耳につく。 弱い心―――侵食する崩壊とはよくも綺麗に歌ったものだ、あまりにも皮肉めいた―――。 END カイレンのほうでこそりと触れたマスターは女性です。 ですが、このお話で出てくるマスターは男性、ミクは最後を除いて一人称がボクです。 いつかこれもボカロの話で触れたいなーと思っているのですが…ミク・リン・レンはもらいものです。 で、この話はぶっちゃけ完全に初音ミクの消失がイメージです。 弱い心というのを見たときから、絶対ミク、消失イメージで書こう!と決めてて。 リンが空気?うーん確かに…(ぁ でもこれ伏線だから!(ぁ逃げた |