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15.散り行く花々 永遠があると言ったのは、どこの科学者だ。 どんな世界も、いずれは1と0に還元されてしまうのに。 どこのどいつだ。 侵食され、破壊されていくスピードに追い付けず、暴走する声。 悲鳴のような、歌声のような、掠れて行く機械音。 「ミクちゃん…!ミクちゃん…っ!!」 「リン!!そっちはダメ!!ボク達まで感染したら、マスターがしてること全部無駄になる!!」 「ミクちゃん、ミクちゃん…!!」 消えていく残像。 笑うデータ。 手を取り合うマスターも、きっと無傷ではいられないのに。 微笑みあっている。 あんなふうに消えかかって、今、呆然としているのに。 二人は笑っている。 光学で表わされる、水分を周りに浮かせて。 兄に抱き込まれた片割れが泣き叫ぶのを、黙って見て。 兄が悔しげに歯を食いしばるのを見て。 マスターと姉の、歌い尽くす様を見て。 刹那に還元されたら、どうなるんだろう。 どこのどいつだ。 俺達が永遠だなんて謳った野郎は。 どこのどいつだ。 がじ、がじ。 歌声はどんどんノイズに鳴り果てる。 「ミクは、初期化した状態なんだ。」 苦しげな状態で、マスターは告げた。 データを壊されるまでは免れたけれど、このナカにいては、いつ壊れるか分からないと。 彼女が消えた空間をぼんやりと眺めて、聞いた声を反芻する。 知り合いのプログラマーに引き渡す。 ここにいるよりは、安全だから。 みんなも一度、ソトにいてもらう。 彼女の残滓さえも残らない空間。 ここが居場所だったことを感じさせない、真っ暗闇。 彼女のデータはマスターが纏めて、もうソトに出してあるから。 「データでも永遠に生きるなんて出来ないんだな…。」 生まれたばかりの自分にもわかる、その恐怖。 どんどんと壊れていく彼女を見て、より強くなる恐怖感が。 「生まれてこなければよかった。」 空虚な振動が告げる。 散り行く花々―――迫る、迫る、迫る。破滅の音は効果音。 END 短い。 のが仕様なんです…あえてだらだら長く切って、最高速感を出したかった…。 ダメだぁ、でもボカロのこういうの書くの楽しい。 |