2.温かな瞳




初めて見た、初めての感動だった。




ぐず、ノロマ。



わかっています、わかっています。
一度聞けばわかります、繰り返さないでくださいませ。
無能と罵る方々よ、非情な言葉が神の使いたるものに許されるのでしょうか?

人一倍の努力さえ嘲笑い、結晶を枯らす心無き方々よ。
貴方方はこの美しい瞳を知っていますか?
我らの崇める女神は、これほどまでに美しい瞳を持っているのでしょうか?



私は確かに無能です、私は確かに無力です。
一人では立ち上がることすら出来ず、いつまでも殻に籠る弱者。
愚かな大罪に、涙することでしか償いを探せずにいた私。
剣を振るうにも細く、力のない腕では役にも立てず。
方々はやはり罵られるでしょう。

ですから私は初めて見ました。
それはとてもとても温かな瞳でした。

きっと方々は卑下した表現で彼女を飾るでしょう。
ですがそれが風評に過ぎないことを、私は知っています。
どこまでも温かな瞳、きっと私は、忘れることができないでしょう。





たくさんたくさん、ありました。
神殿にこもっている時には、考えもしないことが、たくさん。


初めはただ、私もあんな風になれれば。
あのように剣を振るえれば、少しでも贖罪に繋がるのならば。
羨ましかった、あの方が。
女性でありながら選ばれ、強くあれる。
本当にうらやましかった。
強くなりたいという気持ちを、彼女は真摯に受け止めてくれる。
ようやく手に入れた力、彼女のもすごく喜んでくれた。
よかったわね、そんな、小さな言葉が。





彼女は強く、それとともにとても優しかった。
一人の男性を巡って、彼女と対峙していたなんて、今では笑えてしまいます。

でも彼女を思えばこそ、彼を思えばこそ、私はきっとこの気持ちを忘れることもできたのです。




その瞳がくもることも、何度もありました。
それでも彼女は、一度もくじけたりしなかった。
その瞳に映るものを、守るために、壊させないために。






惹かれる心に気づいたのが、旅の終わりだなんて皮肉でした。




一年後に再会した時の、衝撃的な告白。
二人は旅に出てしまいました。

悲しくなかったかと言えば、そう、私は悲しかった。
それでも、強くあろうと思えるのは、彼女と会えたからこそに他ならないから。


いろんな噂も聞きました。
ある時訪ねて来てくださって、私はどれほど嬉しかったか。



二人が彼女の故郷で、孤児院を始める。
そんな報告でさえ、私が微笑めて。















あぁ、私は今とても、強くあれる。
実感でした。






彼女の瞳は私に力をくれました。
私のかけがえのない仲間たち。





「見てフィリア!正真正銘、私たちの子供…。」





母となった彼女の瞳は、変わらず美しく、温もりに満ちていました。









温かな瞳―――いつからその眼差しが変わってしまったのだろう。




END





んーちょっとルティフィリっぽくない?
でもルティフィリです、スタルーも掠めてるのか…。
二人は相思相愛です、でも旅の最中にはそれが成就しえなかったんです。
ルーティはほんとに、聖母って感じなんですよね、私。
フィリアは迷える子羊です、天使の卵です(クサイ