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17.見詰め合った時 思考が解けていく中でも、その鋭い眼光をボクは忘れられないでいる。 一閃のまばゆい光、つられていく鈍い光と。 境界線を引くことができなくなっていく体、もう侵食は止まらない。 じきに星に還る。 初対面は最悪だった。 ボクはまだ生まれて間もないころで、向こうはと言えば、酷く荒れすさんでいた頃。 総長達が間に入らなければ、ボクらは間違いなく殴り合い、いや、殺し合いを始めていたに違いない。 そうやって初めて見詰め合った時、その瞳の中心には、ボクと同じ。 ないものねだり。 ありもしない幻想をいつまでも引きずって、いつかは信じた世界を見つけられると。 そんな夢想に振り回されている目、お互いに子供だった。 こうした今ならば言い切れる、信じた世界なんてありはしないんだ。 そんなものが仮にあったとすれば、こうしてボクは星の記憶に呑まれずに。 彼とともにいられたかもしれないんだ。 解放の幻想。 追い求めたところで、付きまとう石の枷。 現実味のない言葉でボクを縛る、それでもあの人がいないとボクは生きていけない。 後悔の劣情がどれだけ胸を絞めていっても、もう遅い。 見つめ合うだけの時間はもう過ぎてしまって、ボクはもう溶けきる瞬間を待っているだけの、一つの記憶。 怒涛のように流れる星々、あるいは緩やかに流れていく、時間。 飲み込まれて、そうしてゆっくりと、同一になる。 二度とあの人の手に触れる手は、形成されないんだ。 ならば溶けてしまえ、もう二度とあの手をとらなくてすむのなら。 燃え滓。 そう言えばアンタは怒るだろう。 それでも灰色という名前にふさわしいだけの呼び名とは思わないかい? 総長の手を離れたんだ、ボクはもう。 この瞬間にアンタがいてくれたら、ボクは。 それだけで、なんの未練もなく溶けていくことが出来るのに――――!! あぁ、見詰め合った最後があまりにも遠い。 もう一度、もう一度彼の瞳を見ていたい。 赤に似合わぬ緑色、ボクの大嫌いな色、そこに収まる色だけが、ボクの―――。 大事な記憶。 これすら星に奪われていくのか―――? 見詰め合った記憶、その腕にいた、通じあっていた時間すら。 溶けていく。 ゆっくりと。 崩壊していくボクの体。 飲み込まれていく、ボクの大事な記憶。 お前はいいな、イオン。 人に必要とされ、そこにいることを許されて。 お前と見つめ合った、あの深い緑をボクは忘れない。 いつか奪ってやる、そんなつもりだった。 もう遅い、ね。 一言を呟くだけの、唇さえも溶けていった―――。 見詰め合った時―――射抜くような眼光は、結局負け犬の遠吠えだったんだ。 END 短い…;; 一応アシュシンなのですが、イオンにはあまり深い意味はもたせてないです(ぁ 地殻静止作戦で落ちていった直後くらいのシンクの一人語りです。 あんまかすってないようですが、見詰め合った時のことをシンクがひたすら語ってる感じで…; ぶあっ、もうちょっと表現能力がほしい!! |