馬鹿な!

どっちが悪いかなんてもうあやふやでも、今更何を探しているというのやら。

それは傍目に、どうしようもないないものねだり。








ガティブブルー







花井が悪い。
オレはなーんにも悪くない。

花井がオレんこと子供扱いすんのが悪い!
オレはもうコーコーセーなんだぞ、いくらなんでもカホゴすぎ!
そういうのわかんないのかな、甘やかされたいけど、限度ってあんだろ!?
オ、レ、は!!
そういうの区別つけてほしいだけ!
カホゴなんていやなんだよ!!



「オレは別に過保護にしてんじゃねーよ!」

「してる!迷子になったらいけないから手ぇ繋ぐとか!ガキじゃねんだぞ!」

「あーあーあー二人の言い分はわかったから!公衆の面前でケンカ始めるのはやめて!!」

「「栄口は黙ってろ!!」」



この歳で迷子になんかなると思う!?
普通なんないだろ、それともオレがチビくて上から目線の花井じゃ見つけらんないよねーとでも言ってんの!?
オレは悪くない、オレは悪くない。
それだったら背の高い花井が悪いんじゃん、オレ悪くない。



「別にチビだからとかそんなん言ってんじゃねーよ!」

「じゃあ何だってんだよ!花井の馬鹿ハゲ!!」

「こんだけ人多かったら手くらい繋げるかと思ったんじゃねぇか!」

「はっ!人に紛れなきゃ手も繋げねぇのかよ!!」

「お前等ちょっと落ち着けよ!人目引いてんだろ!!」

「「阿部も黙ってろ!!」」

「………。」



もうオレ怒ったし、花井なんか大っ嫌い。



「三橋!!置いてこ!!」

「うお、う、うん…!!」



三橋の手を引いて、誰が止めても止まらないうちに走り出す。
花井なんてもう知らない、何が手繋ぐだよ。

甘やかされるのと過保護とは違うってのわかってくれるまで絶対帰んない。



「あ!!二人で勝手に行ったら…!!オレ、ついてくね!!」

「って水谷が行ってどうすんのさ!!」

「集合場所覚えてるから〜!!」



水谷ついてくんの?
別にいてもいなくても一緒だっての、わかってたって迷うに決まってんだろ。
いいんだけどね、迷ったほうが。 


心配でもしてればいいよーだ、捨てるようにべっ、と舌を向けて、走り去った。















何でだっけ、今日みんなで集まってわざわざ出かけようなんつったの。
モモカンが親睦会だよーとかって言って、いきなりだったんだよな。
それには賛成、練習も楽しいけど、遊ぶのも楽しいし。
もちろんみんなもいるけど花井と出かけられんのも楽しみだったし。

そりゃね?花井の言葉よくよく思い出してたら、オレにも否があるのは、わかってる。
だって花井、オレが手繋ぎたいの分かってて、迷子とかそんなの引き合いに出したっていうんだろ。



「そうそう、わかってんじゃん、そしたら田島が謝んないといけないのわかるよね?」

「そ、れ、は、わかる!けど水谷もわかんだろ!?理由が嫌だ!迷子とか…。」



プライド傷つく。
そりゃ花井にだって悪気があったわけじゃないことくらいわかってる。
だけどさ、オレがチビだのなかなか高校生に見えないだの気にしてるの知ってて、その言葉はないんじゃないかなって思うわけ。
もうちょっとマシな誘い文句なかったのかな、花井の馬鹿。



「うーん、もちろん田島だけが悪いって言ってるんじゃないよ?」

「や、わかってんの、今オレ意地悪してんだなーってわかってる。」

「でもね、やっぱり花井も言葉は選ぶべきだったわけで。」

「それはある!!」



三橋とか水谷とかなら簡単に手ぇ繋げんのになぁ。

花井に言われたからやだったていう、それが我がままなのが分からないほど馬鹿じゃない。
水谷にはぐれるからって手繋がれたときは、普通にそんなもんかって繋いでたし。

花井にチビだとか、小学生みたいだとか、そんな風に思われんのは最高に腹立つ。
花井はでかいから、チビの苦労とか人ごみに紛れちゃう苦労なんかわかんない。
オレが、花井と同じ視線に立ってたいって、花井はどうしてわかってくんないの。

それがイヤなだけ、だから結局オレの我がままで、柄にもなくネガティブ。
頭ん中青い羅列でいっぱいいっぱい。



「田島、くん、花井くん、に…!」

「ん…?」

「小さい、って、言われるの、イヤ?」

「やだよ!オレ、でっかくなりたいもん、三橋だってチビとか言われるのヤじゃね?」



「花井、くん、チビっていう意味、違う、と思う!」



「…何それ…?」

「あー…それは確かに、小さいとチビじゃ意味違うと思うなぁ。」

「んだよ、意味わかんねぇ。」



「チビ、じゃなくて、小さいは、可愛い、って言ってる、と、思う!」



「うえ!?なんでそんなことわかんだよ!!」

「そんなの花井見てたらわかると思うけどなぁ。」

「…そ、んなのわかんねぇ!」

「はいはい、そろそろ帰ろっかぁ。」

「はぐらかすなよ!なんでチビイコール可愛いになんの!?」

「花井に聞いてみなよ、ねー三橋―?」

「う、うん、そう、思う!」



全っ然わかんない!チビはチビだろ、花井の優越感以外に何があるってんだよ。
まったくわかんない。
考える時間はもらえないらしくて、水谷と三橋はオレの手を引いてUターン。
が、数歩進んだところで。



「…あ、れぇ…話に夢中になりすぎた…。」

「いいよ、オレどうせ迷って帰れなくなるつもりだったし。」

「そりゃマズイって、こっちは三橋がいるんだよ?下手したら阿部に地球外追放されてもおかしくないんだけど〜…。」



水谷はね。
阿部と栄口に怒られて、そしたら西広辺りが止めに入ってくれんだろ。
そしたら花井はブアイソーな顔で後ろに突っ立ってんの。
そこで謝ってくれたらオレも謝ろう。
謝ってくんなかったら、もういいや、オレから謝ろう、イヤだけど。
自分から謝らないとたぶん栄口辺りに怒られる。
そいや飛び出す直前に栄口と阿部に黙れって言っちゃったんだよね。
阿部はなんとかなりそうだけど、栄口にはホントに怒られそう。
迷った迷ったとウロウロしている水谷を見上げて、あぁそいえば水谷も背は高いんだよな。
なのになんで花井と同じような劣等感がないんだろ、正真正銘馬鹿だから?
わかんない。



「仕方ないなぁ…目印になりそうなのは〜…。」

「写メ、したら、阿部くん、来る、って!」

「ん、じゃ目印は〜…。」




「田島ッ!!」





うぉっ。
びく、と体が跳ねて。
振り返ったら、人ごみを掻き分けてくる花井がいて。
なんでここがわかったの。
まだ連絡取ろうともしてないのに。
もっともっと長く迷子になって、もっともっと心配かけて。
意地悪しようと、思ってたのに。

走りよってきた花井は、いつもなら絶対絶対してくれないのに。
勢いのままオレの手を引いて、人目も見えてないのか、腕の中まで引っ張り込まれて。



「わ、な、はな、い!?なにして…!!」

「勝手に走っていく奴があるか!!心配したんだからな!?」

「う、えと、ご、ゴメン…。」



なんでなんでなんで。
息苦しくなる前にぱっと体を離されて、花井の腕の向こうにはみんないる。



「あんな田島、別にチビだから迷子になりそうだとか、そんなつもりで言ったんじゃねーんだよ。」

「じゃ、じゃあなんだよ、意味なんか他に…。」

「後で言うから、もうはぐれんなよ、絶対だぞ!」

「イヤ!今言え!!」

「…わーった、ちょっと耳貸せ…。」

「お、おう。」



屈みこむ花井の口元にあわせて、耳を寄せて。







(あんまり可愛いから、手繋いでないとさらわれちまうんじゃねーかと思って。)






そんなのってない。
顔が一気に熱くなって、さっき二人が言ってた意味をふと思い出して。
やっぱ悪いのオレじゃんか、花井の馬鹿、ハゲ。





逃亡してみたもののすぐ捕まった理由は至極簡単だった。
阿部と栄口の本気に加えて、西広の携帯が大変有能だったこと。
なんだよGPSってずるいだろ、でも花井はほとんどそれには頼んないで突っ走ってたっていうから、今日はいろいろ許してやる。





ネガティブブルー―――傍から見なくても痴話喧嘩。







朝凪さん相互ありがとー!!
はい…お題は花田で、『二人のケンカ(傍から見たら只の痴話喧嘩)』っていう、超素敵なものでした…。
ぶ っ 壊 し て る な 私!!
すみませ…!憂氷デレデレうまくかけてないです…!!
しかも西浦全員の豪華メンバーで行くつもりだったのに、描写的に沖と巣山がいない\(^o^)/
気持ち的にはとんでもなく人通りの多い歩行者天国、東京バリの賑わいだろうなーとか思いつつ…埼玉にそんなとこあるのか知らない!(コイツゥ
つーかもう東京まで来たってことでもいいような気がする!そんな遠くないよね!?遠くないよね!?(知らんガナー
一応花田の他に前提として阿三、水栄もあります、全然そんな描写はないけど巣西も匂わせたかった、しかし無理だった\(^o^)/←
今回水谷は全然カッコよくない!むしろ花井のほうがハゲのくせにカッコイイ謎!
先生の携帯はアドレスかた端末の場所が割り出せるタイプの超高性能のタイプに改造されていると信じてやまない。
阿部と栄口にはレーダーがついてる。
花井はハゲ。
そんなノr…すいませ調子乗りました…何かっていうと、花井の価値観で小さいは可愛いだと思うって言う、それだけの話…ごめん朝凪さん!
いっそ意味不明だと返品も可能です!!あああ煮るなり焼くなり好きにしてください!!

相互リンク、本当にありがとうございました!