プレイボール!
声に合わせて、掛声あげて、ポジションに向けて走り出す。
青少年の日曜の午後、練習試合。
―――まるでデイゲームだ、あー悔しい。
遊びたい年頃だぁ?野球一筋のお前が何を言ってるんだ。
どうでもいいけど溶けてしまいそうだ。
サードの背中がぴょこぴょこ跳ねている。






39度のメルト






―――だって今日休みだと思ったんだもん、デートしたかったわけでさァ。

んなわけないだろ、これだけの晴天で。
外野の土を踏みならし、高々と掲げられる太陽を見上げた。
ベンチに設置された温度計は、39度。



うだるような暑さ。
つられてぼろぼろと零れる汗。
点差はまぁまぁ。
快勝気味。
しかしこの暑さで、よくあれだけ快活に笑っていられる。
うっすら焼けた小麦色、球児らしい焼け方。
悲しいことに球児はパンダになるのが宿命だ。



あっちぃ。



7回表。
相手の攻撃。オレはライト。
あいつはサード、遠い遠い。
ひょこひょことび跳ね、なんだ楽しそうじゃないか。
なんて言えば怒るに決まってる。



―――デートは別!

なんてな。
ピッチャーは効率よく三振を奪い、打順は4。
さすがに来るだろうか、屈み込む。
モーション、投球。
がきん、鈍くも高い音。
ゴロ、芝生の上を転がっていく。
ファーストがキャッチして交代だ。



いつもの日曜じゃないか、すねられても仕方がない。
ひょこひょこ跳ねる背中、そればかり気になるオレもどうかしてはいるが。








まぁ、はたから見ればオレは相当子供で、でも花井だって相当馬鹿じゃねぇ?
馬鹿だけどいいんじゃねーの、って言ったら怒られるか。
オレはいーんだけどね、馬鹿だし、子供だし。



「でっもね、えっとねぇ、うっまく言っえっなっいけーど。」

「何田島、ゴキゲンだね?」

「なんかよくわかんねーけど、気分がいいんだよなー。」



しあわせだ、ってやつ?
日曜なのに休日ですらないけど、花井が試合したいっていうんだから仕方ない。
二人っきりですらねぇから、デートなんて到底呼べないんだけど。
試合すんのは好きだし。

あーあっちぃ、溶けちゃいそう。
ベンチの温度計?名前わかんね、とにかく気温は39度!
あっちぃなんてもんじゃない。
炎天下の試合、よっしこっから攻撃だ!



「攻撃!!気合入れてくぞーっ!!」



主将の声に士気があがる、へへ、オレ、マジで溶けそう。
こんなあちぃんだから花井も溶けちゃえばいいのに、お?なんか違う?
オレがあちぃのも届けばいいのに、ってイミで。



「花井〜っ!!」

「あぁっ!?んだよ!?」

「勝ったらデートしようぜ!!」

「ばっ!!お前場所考えろ場所!!」



花井はわがままだなぁ。
あ?オレんがわがまま?
まぁ、いいんじゃねーの?




駆ける背を追って何処までも行こう、そんな夏の日の日曜日。







END









ただ目で追うよさにーでーさんでー!
いっつものにちようびー
アフタ読んでたらなんか書きたくなったんだけど、突発過ぎて短すぎて涙が出てくるぜ(´;ω;`)
むしろまんま過ぎて涙が出てくるぜ(´;ω;`)ブワッ