じりじりと絶妙に募り始める欲求、別に、難しい注文だったわけではない。
ジレンマが苛むイライラ感をぶつけるように覗きこんでも、彼はまだ余裕、とばかりに笑みを浮かべるから。








「おあずけ」耐久勝負







だから何がしたかったんだと言われるとすごく困る、なーにも考えてなかった。
別にこういう理由があってしよう、と言い出したわけではない。
もちろん喧嘩だとかそういう類じゃなくて、本当にただの気まぐれ。



オレはハグ禁止、泉はキス禁止。



二人でいると、特に意味もなくちゅーちゅーちゅーちゅーしてしまうから、なんとなく思いついたことを口にしてみただけ。
なら勝負にすりゃいんじゃねー?と、言われて、あぁそれいいかも、と思って乗ったのは間違いだった。
勝ったほうが負けたほうの言うこと一つ聞く、ありきたりで単純な内容で、その時は何も考えなかった。

ハグ禁止。
これが意外とキツイ。
さすがにいつもべたべたしてただけはある、泉が視界に入ると飛び付きたい衝動に駆られてたまんない。
でも泉は余裕余裕とでも言いたげな目で、ずーっとオレを見つめている。
わかっててやってるに決まっている、言い出しっぺは俺だから何も言えないけど!





「なぁ、オレが負けたら何させるつもりだったんだよ?」





しかもそればっかり!
何も考えてなかったんだもんホントに、何も!!
泉に何をさせたいからとか、そんなノリじゃなくて。
遊び感覚で口にしてしまって、あぁもう!すげぇ失敗!!
泉はわかってやってるから、悔しくて、うーん、でもそういうとこスマートにやってのけるからカッコイイとは思うよ、うん。





「田島?オレに何をさせたかったんだ?」

「…だーかーらぁ、ホントただの思いつきだったんだって、ホントにホント!」

「不毛じゃね?降参しろって、ハグしたんねーんだろ?」

「う…い・や・だ!!」





泉はカッコイイけど、オレも負けんのは嫌。
絶対譲んない。
でもでも泉にはいっつも負けてしまう、悔しくて。
だって泉ってばすっげぇカッコイイんだもん。
見惚れていたら負けてしまう。
指が触れたら、降参したくなる。
負けたくなくても、負けたって思っちゃう。





「たぁじま、意地張んな。」

「意地じゃねーもん!」

「じゃあオレはハグすんぞ?お前はダメでもオレは出来るし。」

「い・や・だーっ。」

「わがまま言ってっと、喰っちまうぞ。」

「わがままじゃねぇもん。負けんのが嫌なのは泉だって一緒だろ?」







「田島はオレの願い事、聞けねぇの?」








それは反則だろ!!
ずるい目、弱気な顔はしていないのに。
勝気な表情で、オレのこと試してる。
そうだって、わかってるのに。






「聞いてほしいことがあんだけどなー。」

「ず、ずりぃ!オレだって…!」

「へーぇ、オレに何させたいの?」

「う、い、や、うー!」







「ゆう、降参って言ってみ?」






「………こーさんします。」

「ん、お利口になったじゃねぇか。」

「…泉はオレに何してほしーんだよ?」

「ん?言わなきゃわかんねーの?」





あーはい、わかった、うん。
オレだってそんなんわかんねぇほど馬鹿じゃねぇし。
それくらいわからないで、この腕が差し向けられるなんてことありえないさ。

泉の広げられた両腕の中にすり、と体を入れ込むと、覆いかぶさるようにして唇を触れ合せて。
あーもう、耐久勝負なんて二度としねぇ、ぜーったいしねぇ!
泉の手が背をさするのを感じつつ、オレはむ、と頬を膨らました。
それでも泉の腕の中が心地いいのは、仕方ないんだけど。







「おあずけ」耐久勝負―――それって結局、誰の我儘?







END







やまもおちもいみもない、はーい泉田です!
初めてれっきとした泉田書いたのになんぞこれは!←
泉は我慢できない子です、だから田島の我慢の限界を削ります、変な夫婦(笑
そして加筆修正してみたところであまり変わりがないというwww←