イライラ、イライラして。

何でも何もないだろう。



オレは、馬鹿じゃぁないんだよ。








Simple Strange

 





 
そんなこと今更言う?
無自覚でやってんの?
何でオレを呼んだりするんだよ。

スルつもりしかねーくせに。

花井も泉もオレのほうが不思議なようで見てるに決まってるけど。
オレにしてみたら二人のほうがよっぽど不思議だ。
何のためにオレがあそこにいなきゃいけないんだよ。

可愛がる振りして、ダシにしてるだけのくせに。

オレだけ見てるようで、オレのことは以外に目の外なこと。
二人はきっと気付いてないし、これからも二人は気付かないだろう。

馬鹿にして。


オレは知ってる。

自業自得の結果だってのはわかるさ。
オレはそんなに馬鹿じゃない、花井か泉か選びもしないで。
甘えていたからこんなことになったんだって、わかってる。
だけど二人共好きで仕方なくて、二人もそれでいいって言ったから。



だから馬鹿はオレ。



そんな自分にもイライラするし、そんな簡単なことに気付かない二人にイライラして。




「あら田島くん、もう帰るの?」

「今日用事あるんで、おジャマしました!」

「あらら残念ねぇ、今度はゆっくりしてってね〜。」




花井のおばさんは優しいけど、次来てもオレはたぶんさっさと帰る。
もっかいおばさんにバイバイして、さっさと花井の家を飛び出した。
第一花井が自分の家に呼ぶのって、妹らがオレと泉に会いたいとかって言うからだろ。
来たらスル、んで飯とかたまに食わせてもらって帰るだけ。

オレってナンなわけ?

オレがオンコーとは言わないけど、さすがにイライラしてもおかしくないと思わねぇ?
馬鹿にされてるっつーか、



二人のことがマジで好きな身分としては、辛いわけ。



あぁ、秋初めの空気は冷たいですね。
花井の家のマンションを飛び出して、陰り始めた陽を背に歩き始める。
今頃花井の部屋では二人してギャーギャーしてるに決まってる、その間はオレのこと頭にないってわかってんの?
オレは四六時中二人のことで頭いっぱいだっつのに、意外とオレのことおざなりだって、わかってんのかよ。

あぁ、またイライラ。





「あーぁ、なんでこう、オレって馬鹿なんだろなぁ。」





そんなの自分が一番わかってる、選べないから馬鹿なんじゃん。
全部ほしくて全部に手を伸ばして、結局腕は二本しかないから、零れ落ちてしまう。
だけど欲しいものは二つだったから、今度は手に入れていられると思った。
例えオレの身の丈に合わない大きさだったとしても、頑張れば大丈夫、そんな安易に。



馬鹿、馬鹿、ああイライラする。








いっそ全部、シンプルに消えてしまえばいいんじゃねぇの?






焦れる気持ちすら溶けていけば、きっと楽なんだろうなぁ。

なんて、思うだけ。
実際に壊してしまう段階になって、どうせオレは躊躇して、さらに恋しさを増してしまうんだから。





その後もオレは三人でいる時に限って必ず発作的にイライラを起こすハメになるんだけど。
そんなオレのことを見て花井も泉も困惑するだけで、結果に追いつくことはないだろう。

答えはとても簡単なのに、気付けないのは二人の不思議。
嫌いになりたいな、それから何度も呟いた。






Simple Strange―――簡単すぎる謎かけは、迷宮入りしてわからない。







Strange Loversの続きになります、はい… 田 島 病 ん で る し!
あーあー…結局のところ、田島は病んでないと気がすまないのか私は!
花泉田と見せかけて、ほとんど花泉+田だということに気付いてないのは花井と泉だけっていうオチ。
あ、田島がなんか可哀想になった(´・ω・`)