| 止まる息 . | 「コイツらに殴りかかるところから見ていた。」 カイルは渋面を作ると、少年から顔をそらした。 あんなところから見られていたとは恥ずかしい。 | ||
| 焼ける胸 . | 「…なら僕はいつも怒ってるみたいじゃないか。」 ふ、とジューダスの口元が綻んだ。 分かりづらい変化だったが、うっすらと、苦笑じみた笑みが口元に浮かんでいた。 | ||
| 聳える壁 . | 「あんな思いをしたくないのは、お前だけじゃない。」 白い顔で眠る枕元に残した言葉、戒めるために何度も繰り返す。 忘れるはずがない。 | ||
| 溶ける声 . | 「置いてくわよ?―――リオンに会いに来たんでしょ?」 裾の短いプリーツスカートを颯爽と翻し、病院の奥へと歩いて行く。 ブーツの甲高い音が待ち合いを抜けた。 | ||
| 落ちる雪 . | 「だから説得するわ、全て話すなら…ジューダス以上の適任はいないもの…。」 言うなり、リアラはカイルに手を差し延べる。共に行こうという、小さい頃からの合図。 |
